機ゥイスラー管の実験

   ガイスラー管を低圧で放電させるとグロー放電が生じ、その発光の様子は図1のようになる。陰極前面に生じる陰極グローや負グローの位置や大きさは、電極管の距離が変わってもほとんど変化せずに陽光柱の大きさのみが変わる。電極間の電位差は、陰極付近で大きく変化しており、陰極から放出された電子はこの空間で加速され、陰極グロー、ダークスペース(クルックス暗部)、負グローで電離や励起が起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.目的

 

   ガイスラー管の放電の状態が真空度とともにどの様に変化していくかを観察し、理解する。また、直流電流と交流電流を流したときの、違いを観察する。

 

2.実験装置

    実験装置の概略を右の図2に示す。ガイスラー管は直径23mm、長さ160mmである。電極間の距離は95mm、その材質はアルミニウムから成っている。また、気密容器は、ステンレス製で直径200mm、高さ160mmである。ガイスラー管は、この容器に接続されている。容器内の圧力は、主バルブを通してロータリーポンプによって減圧される。また、減圧された圧力はピラニ真空計(GP-1S、測定範囲0.4Pa2.6×103Pa(0.00320mmHg))で測定される。

 

3.実験方法

)主バルブが閉じた状態にあるのを確認する。

)ロータリーポンプのリークバルブは、“開”を状態になっているので閉じる。

)ロータリーポンプのスイッチを入れて、主バルブを徐々に開ける。

)ピラニ真空計のスイッチを入れる。

)ピラニ真空計の値を読みながら主バルブを徐々に開けて、適度な真空状態(実験の観察は10〜0.1Torrの範囲内で6回)になったら主バルブを閉める。

)ガイスラー管への高電圧スイッチを押して管内の放電発光状態を観察すると共にその様子を色鉛筆でスケッチ記録する。特に、ダークスペースの大きさに注意すること。この際、一回当りの高電圧の通電時間は1〜2秒程度の短時間にする。

)スケッチが終わったら、再び主バルブを徐々に開けて低い真空度にする。新たな真空度に到達したら再びバルブを閉め、前項と同様な観察を行う。

)全ての観察が終わったら、ピラニ真空計のスイッチを切り、シュバルブを閉める。リークバルブは開けた後、ロータリーポンプのスイッチを切る。リークバルブは、開けた状態にしておく。

9)交流または直流電流での観察が終わったら、他方の観察を同様に行う。

 

.蛍光灯の実験

1.目的

   一般的な照明灯である蛍光灯の放電特性を測定する。

 

2.実験装置

 実験装置を以下の図3に示す。図に示すように蛍光灯に印加する電圧をスライドトランスによって調節し、負荷抵抗をバリオームによって設定する。そして、蛍光灯にかかる電圧及び流れる電流をそれぞれの計器で測定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.実験方法

)蛍光灯(10W)を測定装置に設定する。

)バリオームの抵抗値を、0Ω、75Ω、150Ω、225Ω、300Ωの内の一つの値に固定する。

)電圧V1100Vとして、スタータの点灯スイッチを1〜2秒押して放し、蛍光灯を点灯させる。

)電圧V1100Vから95V90V、・・・・・・とおおよそV間隔で下げていきながら、電圧V1及びV2、電流Aの値を測定する。蛍光灯の点灯が止まるまで行う。

)バリオームの抵抗値を変えて、3)・4)の測定を繰り返す。

)全ての抵抗での実験が終わったならば、次に蛍光灯を15Wに代えて同様に測定を行う。

 

掘ゥ好撻トルの観察

   1.目的

      原子スペクトルの観察をすることにより、励起状態(プラズマ)について理解する。

 

   2.実験装置

      簡易分光器、電源装置、放電管(ヘリウム、アルゴン、窒素、水素、酸素)、放電管立て

 

   3.実験方法

    1)放電管立てに放電管をセットする。きちっと固定する。

    2)放電管と電源装置の間の回路を作る。

    3)スイッチを入れ、徐々に電圧を上げていく(100Vまで)。

    4)簡易分光器でスペクトルを観察する。

    5)徐々に電圧を下げていき、0Vになったらスイッチを切る。

    5)回路を外し、放電管をとり、観察してない放電管をセットする。

    6)2)〜5)を繰り返し、5つの試料全てを観察する。

 

結果とまとめ

 機a)直流電流での観察

    10Torr

 

 

 

 

 

    2Torr

 

 

 

 

 

    1Torr

 

 

 

 

 

    0.6Torr

 

 

 

 

 

    0.2Torr

 

 

 

 

 

    0.06Torr

 

 

 

 

 機b)交流電流での観察

    10Torr

 

 

 

 

 

    2Torr

 

 

 

 

 

    1Torr

 

 

 

 

 

    0.6Torr

 

 

 

 

 

    0.2Torr

 

 

 

 

 

    0.1Torr

 

 

 

 

 


 供シ峺灯の測定結果

   表の一番下の値は、蛍光灯が消えた時の値である。

 

  (a10Wの時

    (i)0Ω                 (ii)75Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

 

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

47

300

 

100

51

233

95

48

300

 

95

52

210

90

49

292

 

90

52

195

85

50

259

 

85

53

168

80

50

227

 

80

53

140

75

51

190

 

75

53

120

70

52

155

 

70

54

92

65

52

120

 

65

54

60

60

53

80

 

60

60

0

56

55

0

 

 

 

 

 

    (iii)150Ω               (iv)225Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

 

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

53

180

 

100

52

148

95

54

158

 

95

53

130

90

54

141

 

90

54

118

85

53

125

 

85

54

100

80

53

110

 

80

54

85

75

54

88

 

75

55

70

70

54

70

 

70

55

50

65

55

50

 

65

56

27

61

61

0

 

63

63

0

 

   (v)300Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

54

120

95

55

115

90

55

95

85

55

82

80

55

70

75

56

52

70

56

37

66

66

0

 

 

    10W時の“電圧V1と電流Aの関係を次のページの図4に示す。


図4

 

 

  (b10Wの時

    (i)0Ω                 (ii)75Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

 

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

53

275

 

100

65

179

95

53

240

 

95

66

154

90

54

210

 

90

66

130

85

56

168

 

85

67

102

80

57

130

 

80

68

73

75

57

85

 

75

69

39

71

71

0

 

74

74

0

 

    (iii)150Ω               (ii)225Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

 

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

67

123

 

100

69

99

95

67

105

 

95

69

81

90

68

90

 

90

69

68

85

68

67

 

85

70

49

80

71

41

 

81

81

0

78

78

0

 

 

 

 

 

    (iii)150Ω

V1[V]

V2 [V]

A [mA]

100

69

80

95

71

67

90

70

52

85

73

30

82

82

0

 

10W時の“電圧V1と電流Aの関係を次のページの図4に示す。

 

 掘ゥ好撻トルの観察

   スペクトルが観察できたのは、ヘリウム(He)とアルゴン(Ar)の時であった。

   観察された色は、以下のようであった。

 

     ヘリウム

 

 

     アルゴン

 

 

 

考察

   (機砲砲弔い

      電流が放流であると、ガイスラー管の発光は左右対象であった。また、直流電流である時は、(超低圧を通常と考えると)高圧であると陽極の方が陰極より発光部が大きかった。その理由は、電子が負の電荷を持っている事で説明できる。しかし、低圧にすると陰極から陽極間の発光がほぼ一定である。それは、低圧になった事で自由行程が大きくなったためと、加速された電子が次の分子のあたり、発光するバランスがいいためだと思う。

      また、負グローを観察しようと思っていたが良く観察しての見る事ができなかった。

 

   (供砲砲弔い

      蛍光灯の発光は、電圧にかなり依存することがわかった。さらに、電圧と回路中の電流との関係が直線ならない理由は、水銀の励起するたる為に必要なエネルギーに関係すると考えられる。

 

   (掘砲砲弔い

文献や各サイトによると、ヘリウムやアルゴン以外の試料の酸素などでも、発光スペクトルが観察できるはずである。しかし、それができなかったのは周りが明るかったためと、分光器がきちんとした物でなかったためであると思われる

 

課題

  (a)気圧測定で、1気圧の時の水銀柱が76cmに対して、水の場合はいくらか?

    ここでは、水銀と水が低圧や真空状態で気化しないと仮定する。また、水銀と水の0℃での密度はそれぞれd=13.5708とd=0.99984である。

   よって、水の場合の高さは、

76×13.57080.99984

      =1031.55

      =1031.6 [cm]

  である。

 

  (b)aで水銀を用いた理由

    常温で液体の物質で密度が高く、気温による密度変化が非常に少ない。さらに、気化しにくい、常温ではほとんど酸化されないためである。

 

  (1)放電管の種類

     光源用として、クロム・ナトリウムなどを封入されたもの。整流管・グリッドグロー管・サイラトロンなどである。

 

  (2)ネオンサインの色の決め方

色は管の中に入れるガスの種類によって決まる。ネオンは赤色、アルゴンはうすい紫色、ネオンと水銀をまぜると青色、窒素は黄色など、いろいろ変わった色をだす。

 

  (3)ペニング効果

     電子と衝突して励起したArは、次に水銀原子と衝突して水銀原子を電離しそれが放電に寄与する。Arの電離電圧が15.75eVに対して励起電圧は11.5eV、水銀の電離電圧は10.4eV。すなわち、11.5eVで電離できるので、15.75eVからみればそれだけ低い始動電圧になる。これをペニング効果という。

  

 

  (4)蛍光灯の寿命

電極部のフィラメントに塗布されている電子放射物質の消耗によるものである。電子放射物質の消耗は、始動時に起こる飛散消耗と、点灯中に主として起こる蒸発消耗によって起こる。

 

(5)ピラニ真空管の測定原理

   気体による熱伝導が圧力に関係する事を利用した真空計。

 

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