紅花の色素 カルタミン

   藍の色素 インジゴ の合成

 

1.染料と顔料の違い

染料は天然の草木染めを除いてはすべて石油から生成される。色素によって粒子の大きく異なるが非常に小さなものである。また、水や油(有機溶媒)に入れたとき、溶解するものを「染料」、溶解しないものを「顔料」と呼んで区別しています

2.紅花の色素

  紅花の色素成分はフラボノイド系の淡黄色のカルタミン(carthamin)で、酸化されて紅色のカルタモン(carthamone)に変化します。その他、サフロールイエロー(safloryellow)という黄色素も含んでいる。

3.藍の色素

   藍の色素は、インジゴと呼ばれている。インジゴとは、本来はインドで栽培されている藍植物からとれる天然藍(インド藍)のことを指し、「インドからきたもの」というのが本来の意味であるが、その中に含まれる色素の物質名ともなっている。

4.カルタミン(カーサミン)構造決定

   1929年に黒田チカはカルタミンの構造を決定した。しかし、後の研究で黒田チカが構造決定した分子は、安定であるカルタミンの構造の互変異性体イソカルタミンであった。それを1974年に発見したのは、山形大学工学部応用化学科の小原平太郎氏、小野寺準一氏、佐藤慎吾氏である。また、合成法は複雑ではあるが、上記の小原平太郎氏たちが合成経路を導き出した。ここでは、Glはβ−D−グルコースである。ここで示した構造は古いカルタミンとイソカルタミンの構造である。

   現在では、カルタミンの構造は下記のような古いカルタミンの構造の2量体であると考えられている。(ここでは、“THE MERCK INDEX THETH EDITION”“CHEMICAL LETTERS 1974,1979”、“山形大学紀要 1995”を参考にした。)

5.インジゴの構造と合成法

   バイヤー (A. von Baeyer)によって、インジゴの構造(1)が決定された。1878年からバイヤーは、フェニル酢酸からイサチンを経る方法、o-ニトロベンズアルデヒド酸とアセトンの縮合反応を用いる方法等、多くの合成法を見出した。工業的に成功を収めたのは、1890年に発明されたK. Heumannの方法である。現在では、インジゴの他にチオインジゴ(2)も合成されるようになった。

 

 工業的製法

インジゴは現在でもHeumann法をもとにして生産されている。その合成経路は種々改良されており、大きく分けるとフェニルグリシンを用いる方法と、フェニルグリシンo-カルボン酸を用いる方法がある。工業的生産には前者が広く用いられている。

 フェニルグリシンはアニリン()をモノクロロ酢酸で処理して得られる。第一次世界大戦中に、ホルムアルデヒドと青酸を用いる改良方法が開発された。フェニルグリシンのナトリウム塩()は、イドキシル()に誘導され、空気酸化によりインジゴ()を与える。初期はインドキシルの合成に水酸化カリウムが用いられていたが、高温(300350)で処理しなければならない。後に、ナトリウムアミドの添加により、反応温度は約100℃低下させてことが発見された。

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